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電気自動車(EV)は寒さに弱い?寒いところでの乗車のコツをご紹介!

 電気自動車(EV)は寒さに弱いー。

 EVに関心のある方なら、そんな話を耳にしたこともあるのではないでしょうか。

 今回は寒い場所でのEVの性能と、そうした状況でのEVの上手な乗りこなし方についてご紹介します。

 

 目次

  1.寒い場所でのEVパフォーマンス

  2.世界で一番EVが普及しているのは寒い国

  3.寒い環境下でEVの航続距離を伸ばすコツ

  4.進化を続け寒冷環境下にも強くなるEV

  5.まとめ

 

寒い場所でもEVに乗れる?

 寒冷地では以下の理由から、EVの走行可能距離が平均で約20%低下します。

 まず気温の低下によりバッテリーの充電速度や性能が低下するため、通常よりも得られる電力が少なくなります。これにより充電に時間がかかり、走行距離を確保するだけの充電ができないことがあります。

 また、寒い環境下ではバッテリーを適切な温度に保つために、電力を消費してバッテリーを加熱する必要があります。

 車内の暖房の利用にも電力が必要です。EVでは電気モーターやバッテリーからほとんど廃熱が発生しないため、エンジン車のように燃料の燃焼熱を利用することができません。そのため車内を温めるのにも電力を使用します。

 これらの要因が合わさり、寒い環境下での走行距離の短縮につながるのです。

 

2.でも世界で一番EVが普及しているのは寒い国!

 実は世界で一番EVが普及しているのはノルウェーです。ノルウェーでは30年以上前から国の政策によってEVの普及が推し進められてきました。その結果、現在では広くEVが普及し、2023年には販売された新車のうち82.4%がEVでした。

 寒冷な地域であるにもかかわらず、ノルウェーでのEVの普及は目覚ましいものがあります。では、そんなノルウェーでEVを使用する際に困難は存在しないのでしょうか。

 実はノルウェー国内の走行距離は比較的短めで、これがEVの利用にとって大きな利点となっています。短い距離ならバッテリーの持続性や充電の頻度に関する心配が減るため、利用目的次第では寒冷地でも問題なくEVを利用することができます。

 また、ノルウェーではすべての主要幹線道路に急速充電ステーションが設置されており、同時に4,000台以上の車が充電可能です。これにより、ユーザーは充電のための長い待ち時間や行列を避けられるため、ストレスなくEVを利用できるようになっています。このような充実したインフラは、ノルウェーが寒冷地でありながらもユーザーが不便なくEVを利用できる重要な要因となっています。

 

3.寒冷地でもEVを効率良く使用するためのコツ

 EVが普及中である日本ではまだ、ノルウェーのようなEVユーザーにとって利便性の高い環境を整えている最中です。ではそんな日本での非常に寒い環境下で、EVを効率良く乗るためにはどうしたら良いでしょうか?以下にポイントをまとめてみました。

回生ブレーキを最大限に活用する

 EVの回生ブレーキのレベルを上げると、減速時に失われるエネルギーを回収するのに役立ちます。ただし大雪や氷が多い場合は、このシステムにより車輪が滑る可能性があるので注意してください。

シートヒーターを使用する

 EVにおけるシートヒーターは、エアコンによる暖房に比べて大幅にエネルギー消費を抑えることができます。寒さが許容できる範囲の場合にはエアコンを使用しなければ、予想される航続距離を大きく伸ばすことができるかもしれません。

減速する

 当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、速く運転すればするほど車の効率は低下します。穏やかに運転し、バッテリーへの負荷を減らしましょう。車のエコ設定を使用することも役立ちます。

 

 これらのことを意識することで、寒い環境下でのEVのエネルギー効率を上げることができます。

 

4.進化を続けるEV

 EVのバッテリーや充電インフラの技術は日々進化しています。近年中国メーカーのEVが勢いを増しており、その進化には目覚ましいものがあります。

 ノルウェー自動車協会は年に2回、寒冷環境下でのEVの航続性能を測定する「El Prix(エル・プリ)」という航続距離レースを開催しています。2024年のレースでは、中国メーカーのEV「HiPhi」が首位に立ち、その航続距離は基準値のわずか5.9%減少にとどまりました。2023年に首位に立ったテスラのモデルSの減少値が16%であったことを考慮すると、非常に大きな進化と言うことができます。

 今はまだ全てのEVが「HiPhi」ほど寒冷地に強い耐性を持っているわけではありませんが、今後技術が進化することで、EVも寒さに強くなっていくことでしょう。

参考:https://wired.jp/article/tesla-hiphi-ev-range-crown/

5.まとめ

 寒冷地でのEVの利用に際しては、充電の速度が遅くなる、走行距離が若干短くなるなどの注意点がありますが、安全性に関しては問題ありません。動作不良などの心配なく、安心して運転することができます。

 寒冷地であっても利用環境次第では全く問題がないこともあります。安定した充電スポットを確保していることや、主に通勤時の利用などで長距離を走らない方は、寒冷地あっても気にする必要のない場合が多いと思います。

 また、技術が進化していくことでこれらの問題も徐々に解消され、ユーザーにとっての不便は少なくなっていくことでしょう。

 

 持続可能な未来への一歩として、寒冷地でもEVの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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